なぜ廃墟は人を魅了するのか
ラストオブアス2
文明崩壊後の世界を、リアル志向な人間ドラマで描いたサバイバルアクションゲーム、The Last of Us Part IIをプレイしているのですが、そこに登場する世界は、ほぼ廃墟。
グラフィックの精密さと、人の生活を感じるリアルさ溢れる廃墟は、廃墟好きでなくても心動かされるものがあると思います。
廃墟を舞台とした、映画、ドラマ、ゲームが大ヒットするというは珍しくありません、背景でしかない部分だとしても何らかの魅力がありそうです。
廃墟好き
廃墟が好きと言うと、なんで?とか、汚くない?みたいに、まったく理解を得られない事もありますが、どちらかと言えば好きかな?くらいの人も含めればかなりいらっしゃるでしょう。
廃墟に足を運ぶ人の中には、肝試しとか、破壊活動が目的の人もいますが、廃墟好きとは言えません。
廃墟マニアともなれば、いくつもの廃墟を観光し、ありのままを受け入れ、楽しみ、気に入れば何度も足を運ぶ。
それをネットにアップしている人も沢山いるので、ネット記事を見て擬似的に廃墟探索を楽しんでいる人も沢山います。
廃墟の魅力
廃墟に対する印象は、まず怖さ、崩れるかもという怖さは別として、非日常的な物に対する畏怖が大きい。
いらなくなった建物はすぐ取り壊して、新しい物を建てるのが当たり前な現代において、朽ちた建物を見ること自体、ほとんどありませんから、町で見かければ異物として感じないでしょうか。
そして、同時に儚さもあります。歴史と言っても良いかもしれません。
どんなに立派な建物でも、時間の経過には逆らえないという建物自体の儚さ。棄てられ、消えゆく寂しさ。
もうそこにはいない、建物を利用した人々の儚さ。そこにどんな人々がいたか知りもしなくても、勝手に思いを馳せてしまう。はっきりイメージしなくても潜在的に感じるものがあるのだと思います。
こう書いていると、寂しさが強調されてしまいそうですが、喜怒哀楽全てが同時に想起され、なんとも言えない精神状態になるのが廃墟であり、魅力だと思います。
そんな精神状態だからなのか分かりませんが、廃墟が美しいと感じることがないでしょうか。
私の場合は、なんか綺麗だなーとか、人知れずそこに在る事に情緒を感じるくらいのことですが、廃墟を目にすることで、万物は、生まれては死に、作られては壊れていく、という当たり前のことを「美学」として感じているのかもしれません。
18世紀からあった文化
廃墟について聞きかじった話で、18世紀のイギリスには廃墟を楽しむ文化があったそうです。
旅行先で手に入れた風景画に描かれた風景を、自宅の庭園に再現するというブームがあり、その中で、古代ギリシアや古代ローマの遺跡も再現して配置していた。
18世紀末頃には、中世時代に建築された廃墟を、わざわざ庭園に再現することがブームとなっていた。
数百年前にそんなブームがあったなんて、驚きとともに愉快に感じました。
どのくらい昔からこういった文化があるか分かりませんが、時代が古いほど、建物を建造すること自体が大変で、建物に対する思い入れも大きかったかもしれません。そう考えると、もしかしたら人類において最初の廃墟が目撃されたときから、今と同じような感覚を抱いていたかもしれませんね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません